カメレコ!~カメ女を目指して奮闘中の働く女性がレコメンドする本日の逸品~

旅行や美味しい物を食べること、そしてカメラが大好きな私が出逢ったお気に入りをドンドン掲載していきます!よければ眺めてみてくださいね!

時が止まった東京湾の無人島『猿島』へ行ってきた(島内編)


本日オススメの逸品は、100年のタイムスリップを錯覚する、東京湾の無人島『猿島』の続編です。


猿島の由来は、1253年(建長5年)5月、日蓮上人が房総から鎌倉へ渡る途中嵐に遭い、船の進む方向さえ分からなくなったとき、どこからともなく一匹の白猿が現れ、船のへさきに立ち、島へ案内したという言い伝えから、「猿島」という名がついたとされている。島のパンフレットを眺め、漸く「猿」が付いた理由を把握。そういうことか。弾薬庫前の雰囲気が余りにも素晴らしかった。湿り気を帯びたレンガ造りの建物、水滴が垂れそうな、色濃き緑の苔蒸す石垣、高い木の上から聞こえる鳥の鳴き声。ぼけっと立っていると、自分のいる場所がどこなのか、一瞬ではあるがよく分からなくなる。ふとすると、遠い南国の、熱帯雨林のジャングルにいる感覚が湧き上がってくるのだ。島に入ってまだ序盤戦。この先もきっと素敵なシーンに出会えるはずだ。先へ進もう。

愛のトンネル


弾薬庫を後に石垣を右折すると、前方にトンネルが現れた。またゾクゾクしてきた。


大した距離ではないが、進むのを少しだけためらう。「見えなくていいものが見えたりして」と、また余計な妄想をし始めた。


高感度撮影をしたので、粗い画像で撮れているが、実際のトンネル内はめちゃくちゃ真っ暗である。猿島のトンネルは、日本で二番目に古い歴史を持つフランス積みレンガのアーチ作り様式。中は薄暗くカップルが自然と手をつないで通るため、いつしか「愛のトンネル」と呼ばれるようになったとか。


まるで中世のお城か教会のよう。変な扉はあるし、能書きが書いてあるプレートもあったが、ビクビクしていたので読んだ内容はちっとも覚えていない。だってさ、一人で居るのよ?


コワイけど、こういう場所が好き。見えたら嫌なのに、何か見えるんじゃないかと暗闇の奥をじっと見つめたり、突然振り向いたり。出口が近づいてくると、安堵感からか、自然と大きな深呼吸をしていた。


トンネルを抜けると、そこはトンネルだった。


右側を向いて息を飲んだ。


まさに未開の地のジャングル。


明治初期って、1870年前後でしょう?戦中戦後も使っていたのだろうけど、こんなに綺麗に残っているなんて。すぐそこに横須賀の街があることをすっかり忘れるほど時が止まっ
ている。


一人で暮らしていたら仙人になりそう。


安心感のある距離。


来てよかった。好きなだけ眺めて好きなだけ妄想できた。

砲台跡


猿島には明治時代に陸軍の砲台が築かれていたが、昭和に入り海軍の防空砲台が造られたという。


島内には砲台跡が3箇所ある。猿島要塞は、帝都東京を脅かす海からの攻撃に備えるべく建設された、東京湾海堡の中の一つだ。


黒鉄の砲座がゆっくりと向きを変えると、歯車と歯車が確かに噛み合う、大きな音が響き
渡る様を思い描く。まるで戦争中を思い出しているかのよう。当時居たんですか?私。


この先は、さっき見たジャングルと、最初のトンネル前に出るので帰り道に通ろう。


一緒の便で来た方達をやり過ごしてから散策を始めたので、たまに遠くで声は聞こえるものの、他の人とすれ違うことはなかった。唯一、何度か遭遇したのは一人の白人男性のみ。そのうちお互いに挨拶を交わしてすれ違うようになった。


降りれるようなので、降りてみることにした。登りはとてもキツそうな気がする。


視界が開けた。


釣り人発見。ここは何が釣れるのかな。ちい散歩なら「何が釣れますかー」と叫ぶところ。

日蓮洞窟(古代住居)


なにこれ。パンフレットをみてみた。弥生人が住居やお墓として利用していたと考えられている洞窟、と書いてある。日蓮上人の名にちなんで日蓮洞窟と名付られ、江ノ島まで続いているとの伝説も残されている。住居や墓ぁ?兼ねてた日には、かなり深く掘り下げて埋めないと色々とアレね。


下まで降りたが特にこれといった発見もない。途端に、上まで登るのが億劫になった。


登りはキツイ。ゼイゼイ言ってる最中、ちょっと和んだ。


島の簡易マップとあいぽんはあるものの、方向音痴が発揮され自分がどこへ向かっているのか、だんだん分からなくなってきた。多分この先が、弾薬庫前へ戻るのだと思う。


最初の弾薬庫の場所へ戻ったら、社会科見学らしき小学生の団体が来た。グループに分かれて来るので、一通り通り過ぎるのを待っていたら、時折「こんにちわ」と声を掛けてくる子供が数名。最近の子供にしては躾が行き届いたお子だこと、などと思いながら笑顔で挨拶を返した。


後日回想していた時にふと、思い出した。不審者を見かけたら、こちらはあなたを認識しているんですよ、と相手に知らしめるために、最近の小学校では、防犯対策として自ら挨拶をして声をかけるよう教育していることを。カメラを持った変なおばさんに気をつけろ。


一通り、子供の群れが去ったので再び撮影を開始。もうこの先は下ってレンタルショップ方面へ出るだけだ。弾薬庫前のこことトンネルが最高だったな。


目出度く不審者認定されたことも知らずに。


暗くて分からないのだけど、仕切りはなく空洞に見える。中を見てみたい。


これらの建物は全部地下で繋がっているのかな。隠蔽された地下施設だものね。整備して地下も見学できるようにして欲しい反面、未来永劫このまま手付かずにして欲しいとも思う。んーやはり後者かな。


私は撮影したり、ぼけっと突っ立っていたりしたので2時間近く滞在したが、散策して周るだけなら40分もあれば一周してしまう、本当に小さな島だった。


ドン!青キジ。


そろそろ桟橋へ向かう。


猿島桟橋


平成21年に完成した桟橋。わりと最近。


桟橋の着船部は、潮位にあわせて常に船の乗降口と同じ高さに上下する浮桟橋構造になっている。京都の疎水水門を思い出した。水門の原理の逆バージョンか。


面白かったなー。


度々来るところじゃないけど、10年後あたりにまた来てみたい。


きっと、景色はなに一つ変わっていないのだろうと思う。


お迎えのフェリーが来た。


BBQの大学生ご一行が大量に乗船している。早い便にしておいて良かった。


マイハニーがお迎えに来たわ!!しかしカッコイイわね。


これいわゆるTO・U・SA・TSUってやつかしら。


帰りは船内をじっくり観察しようと思う。


船首はこんな感じ。


船室はこんな感じ。


まるでプライベートクルーザーな気分。帰りも白人さんと一緒だったけど。


いやあ神奈川県って素晴らしいね。箱根に鎌倉に葉山に江の島、横須賀、素敵な場所ばかり。


さよなら猿島。とっても楽しかったよ。


海はいいよね。海大好き。


チェーンを外し、腰掛けて足をブラブラなどを妄想。


こうして見ると本当に小さな島なんだね。


若干チンピラ臭がする横須賀に帰ってまいりました。

荒崎丸


浦賀水道航路のエスコートを行なっている。

足柄丸


スコート業務も多く、パイロットの送迎などで横浜港内によく出没するらしい。

葉山丸


スコートとは、狭い海峡や内海を航行する巨大船や大型タンカーの安全を確保するために、本船の前方を先導することを指すんだよ。


前から知っていたわけではなく「この船なんぞ?」と思い、調べて初めて知ったのだけど。


最後に、横須賀といえば旧海軍レシピを忠実に再現した海軍カレー

まっ黄色のカレーを、戦艦の話で大盛り上がりしている12人くらいのおじーさん一行の隣で食べた!学校の給食でもこんなに激しい色をしていなかったと思う。


ちょっとしたタイムスリップを体験してみたい貴女、東京湾の無人島『猿島』オススメです。

無人島 猿島(株式会社トライアングル)
横須賀中央駅から三笠桟橋の猿島航路まで徒歩10分程度
猿島航路(猿島へのフェリー発着所)
運賃(往復)大人1200円
三笠桟橋発
8:30から一時間毎、最終便16:30
猿島
8:45から一時間毎、最終便17:00


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